ワクチンで予防できる犬・猫の感染病
◆コアワクチンとノンコアワクチン
ワクチン注射はコアワクチンとノンコアワクチンに分けることが出来ます。
◎コアワクチン
すべての犬や猫に接種するように勧告されているワクチン
*重篤な感染症 *人獣共通感染症であり人への被害が大きいもの
*容易に伝番し、多数に被害が起こるもの
犬のコアワクチン
・ジステンバー 子犬の死亡率が高い(発熱や鼻炎、呼吸器障害)
・パルボウイルス 同じく子犬の死亡率高い(激しい嘔吐下痢)
・パラインフルエンザ 咳、鼻水などの呼吸器症状
・アデノウイルス1型2型 嘔吐下痢、食欲不振、呼吸器系症状
これらを合わせて5種混合ワクチンと呼びます。
・狂犬病については後述します。
猫のコアワクチン
・ウイルス性鼻器管炎 風邪によく似た症状(重症化すると死亡する可能性)
・カリシウイルス くしゃみ、鼻水、口の中に潰瘍や水疱
・猫汎白血球減少症 発熱、嘔吐下痢、子猫で死亡率が高い
これらを合わせて3種混合ワクチンと呼びます。
ここで紹介したコアワクチンは、ペットショップでワクチン接種済みと表記されている犬や猫、病院でワクチン接種を依頼したときに一般的に打たれるワクチンになります。
◎ノンコアワクチン
個々の動物の状況(生活環境・居住地域)において接種を決定するワクチン
犬のノンコアワクチン
・犬コロナウイルス 激しい嘔吐下痢、子犬感染率高い
猫のノンコアワクチン
・白血病ウイルス感染症 初期症状(発熱、元気消失)、のちに著しい免疫低下、貧血
ノンコアワクチンは育ってきた生活環境や住んでいる地域によって必要か否か変わってきます。心配な方は獣医師に相談してみるといいと思います。
◆狂犬病について
狂犬病は犬だけでなく人や他の哺乳類にも感染する人獣共通感染症です。そして恐ろしいことに治療法は見つかっておらず、感染すると現状100%の確率で死亡してしまいます。
しかし予防接種をすることで100%感染を予防できる病気です。
日本では1956年に1人の犠牲者を最後に、それ以降感染の事例はありません(海外で噛まれて日本で死亡した事例は存在します)。
この恐ろしい感染病は、「狂犬病予防法」により、
「生後91日を経過した犬の飼い主は、その犬を所有してから30日以内に市町村に犬を登録し、狂犬病の予防接種を受けさせて注射済票の交付を受けることが義務付けられている」とあります。
コアワクチンの勧告と違い、法律で義務と定められているので注射を受けていない犬の飼い主は罰則、罰金となります。
「日本国内では撲滅しているなら注射しなくてもよいのでは?」と思っている人もいるかもしれません。実際に日本にいる飼い犬の予防接種率は60%程度という調査結果もあります。
集団免疫(全体の7割が予防接種をしていたら感染を防げる)の獲得が出来ていないと、狂犬病が上陸した場合、感染を止めることができません。
他にもフィラリアなんかについても話をしようと思いましたが、長くなってしまったので今日はここまでにしようと思います。
適切なワクチン接種でペットと健康な生活を送りましょう~