犬・猫の不妊手術について
今日は犬・猫の不妊手術についてです。
「不妊手術って具体的にどんな手術をするの?」
「不妊手術をすると何が変わるの?」
「不妊のメリット・デメリットは?」
この3点についてお話ししていきます。
不妊手術ってどんな手術をするの?
まず雄・雌ともにお腹を開くことになるので全身麻酔をすることになります。
※全身麻酔については後述します
・雄(♂)の場合
雄の不妊手術は「去勢(cast)」といいます。2つある精巣を取り除く手術となります。犬や猫は停留睾丸といい体の中から精巣がおりてこない場合があったりしますが、手術の際はこの停留睾丸もあわせて取り除きます。
・雌(♀)の場合
雌の不妊手術は「避妊(spay)」といいます。
【猫の場合】
卵巣(2つ)のみを摘出します。
【犬の場合】
犬の避妊手術にはいくつか種類があります。
①卵巣から延びる卵管という管を閉じて卵子が子宮に降りてこないようにする。
→発情期はなくならない、交尾もするが妊娠をしない
②全摘出
→卵巣と子宮を摘出する
③卵巣摘出
→卵巣のみを摘出する
④投薬で避妊する
→発情期はなくならない、交尾もするが妊娠をしない。月1回の投薬が必要
手術に関する情報は主治医から十分に説明を受けてください。
不妊手術をすると何が変わるの?
※ここでは犬の避妊は卵巣摘出、もしくは全摘出した場合の話になります。
【犬の場合】
・去勢していない♂
→発情した雌が近くにいると、オスはメスのところに行こうとあらゆる手段をつかい脱走、遠吠え、他の雄と喧嘩を繰り返す。
・去勢した♂
→穏やかな性格になる傾向がある。食欲が増加して肥満になりやすい
・避妊していない♀
→年に1~2回の発情期がある。
・避妊した♀
→落ち着きがなくなる。容貌にほとんど変化がない。太りやすくなる。
【猫の場合】
・去勢していない♂
→性の赴くままに行動、喧嘩、外に出ていくので交通事故が多い
・去勢した♂
→他の猫に対し攻撃性がなくなる。外出しなくなる。肥満になりやすい
・避妊していない♀
→交尾すると排卵する。発情期に落ち着きがなくなり、♂を呼ぶ
・避妊した♀
→肥満となりやすい
不妊手術のメリット・デメリット
【メリット】
・発情期独特の鳴き声をしなくなる
・外出しなくなる(ケガや事故のリスクが減る)
・なわばりを主張する尿スプレーをしなくなる
・子宮、卵巣、前立腺、精巣関連の病気のリスクが下がる
【デメリット】
・女性、男性ホルモンがでなくなる(ホルモン性の脱毛になる場合がある)
※ただし女性、男性ホルモンの影響で脱毛となる場合もあります。
・手術のために全身麻酔をすることになる。
→全身麻酔の副作用として呼吸や血圧に大なり小なり負担がかかります。もちろん獣医師は手術する動物が麻酔に耐えられるかも検討しますし、看護師は麻酔中も常に動物の状態には注意を払っていますが、100%問題なく手術を終えられる確証はありません。
◆最後に
不妊手術によってもたらされる効果とリスクを十分に検討し、動物と一緒に暮らすうえで一番良いと思う選択を行いましょう。このブログが少しでもその選択の手助けとなれれば幸いです。