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野良猫のTNRについて

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こんばんは、猫好きの一人エミコレです。

 

今日はタイトルにもある通り、「野良猫のTNR」について私と一緒に勉強していきましょう。

皆さん”TNR‟ってご存じですか?(ちなみに私は動物について本格的に学び始めるまで知りませんでした…)詳しくは知らなくても「聞いたことがあるよ」って方もいらっしゃるかもしれません。

まずは”TNR‟という言葉から見ていきましょう。

 

 

”TNR‟って何?

T:trap(捕獲する)

N:neuter(不妊手術する)

R:return(捕獲した場所に戻す)

⇒対象は飼い主のいない猫たちです。

つまり野良猫を傷つけないように捕獲して、不妊手術を施し、捕獲した場所に返す(”TNR‟を行った猫に目印として、手術後の麻酔が聞いているうちに片耳の一部をカットする)という一連の流れを”TNR‟といいます。

 

野良猫の定義は?

野良猫とは、特定の飼い主がおらず、また定住の住居を持たず、餌をもらって生きているが餌以外の世話や健康管理がされていない猫、世話をする人たちが、猫の行動にたいして責任をもっていない猫のことをさします。

 

何故”TNR‟は始まった?

猫は交尾排卵動物なので、交尾が成立するとほぼ100%の確率で妊娠します。そして年に2~3回出産し、一度に生む子供の平均は3~5匹といわれています。猫はオスでは早くて3ヵ月、メスは5ヵ月~12ヵ月のうちに性成熟し、子供を産むことができるようになるので、すごい勢いで数を増やしていきます。

野良犬はめったにいませんが、野良猫は比較的どこでも目にする機会が多いのもそれが理由の一つですね。

 

妊娠出産を助長しているのが、人間が「お腹を空かせてかわいそう」という善意からくる餌やりです。ほかにも生ゴミの放置によって栄養状態がよくなった野良猫たちが出産を繰り返し数を増やしていきました。

野良猫たちが殺処分されるまで増加してしまったこと、これは自然の理として起こったことではなく、私たち人間の手によって起こってしまった人災です。

 

春や秋にどんどん生まれてくる子猫、保護されずにカラスなどにつつかれて亡くなる子猫、人間に保護されたが自分は面倒を見れないという理由で動物病院や愛護センター、保健所に連れてこられる子猫たち…。保護をされた子猫のうち里親が無事に見つかって引き取られていく子猫はごくごく僅かです。そのほとんどが”安楽死‟(最近では安楽死と言われていますが殺処分しているという事実は変わりません)という悲しい結末を迎えます。

減らない殺処分、野良猫の増加、猫の習性の不理解、不幸な命をなんとかしたいという目的のもとに”TNR‟という取り組みが始まりました。”TNR‟を行った猫は子供を産むことが出来なくなりますが、「1代限りの命として、地域全体で大切に見守ってもらう」という目的もあります。

 

”TNR‟ってどうやったら受けさせることが出来るの?

動物病院によっては、野良猫を連れてきてもらえれば手術などの費用はボランティアでやっているところもあります。(術後にノミなどの外注駆虫薬をつけている病院は薬代がかかることがあります)

また、地域によっては年に数回”TNR‟週間を設け、大々的にキャンペーンを行ったりもしているようです。

最後に

いかがでしたか?おそらく”TNR‟についてはさまざまな意見があり、賛同できないという方もいらっしゃるとは思います。ですが猫を好きでこの記事を見てくださっている皆さんにはこういった取り組みが行われていることをぜひ知っておいてほしいと思います。