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猫を飼う

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家の主の貫禄をかもしだす猫

 今日はこれから猫を飼おうか考えていらっしゃる方の参考になるよう、猫と人がストレスなく暮らすために知っておきたい猫の習性についてお話していこうと思います。

 

 

◆猫を飼育する際に守りたいこと

 「完全室内」で飼育してください。

昔は猫は放し飼いが一般的でしたが、現代では猫の健康面、衛生面、飼育マナーの面からも室内飼育が推奨されるのが一般的です。

屋外に出すと交通事故や猫同士の喧嘩、感染症などのリスクが高まります。飼い猫の平均寿命は年々伸びていますが、これは「良質なフードが増えた」「完全室内飼育」「動物病院の受診率増加」があげられます。屋外で生活している猫の平均寿命は大幅に下がります。

 室内飼いのデメリットがあるとするならば、刺激(家族以外の人、他の猫との接触)が少なく運動不足になりやすいことです。しかしそれは猫と遊ぶ時間を毎日10~15分確保する、運動を促すための環境づくりに配慮することで回避できます。

「室内だけでは自由がなくて猫がかわいそうだ」と無責任に外出させるより、室内でいかに満足に暮らせるかを追求していきましょう。

 

◆猫のための環境をつくる

 猫は犬と違い3次元的な動きを得意とし、身を隠せる暗くて狭い場所を好む傾向があります。自然下では高い木に登って休んだり、木の洞を寝床にしたりして生活していました。

 これを飼育下で再現させるためにキャットタワーを設置したり、階段状に家具を配置したりして上り下り出来るように工夫しましょう。

 猫にとって高く登れる場所があったり隠れられる場所があることは運動や寝床といった意味だけではなく精神的にも安心できるものです。次の項からは環境づくりについて具体的にみていきましょう。

 

◆快適な環境とは?

・空調が整えられている

→猫が快適な気温は18~26℃程度です。冬は自分から布団に潜り込んだりして暖をとることが可能ですが、真夏はエアコンがないと熱中症になる可能性が高くなります。特に子猫や治療中の猫は快適な気温を保つことが重要です。またこの際エアコンの風が直接当たることがないよう注意しましょう。

 

・新鮮な飲み水がある

猫は犬より水にうるさい場合が多いです。食事をする場所に一緒にある水を飲まなかったり、皿に注いだ水は飲まないのに蛇口から直接水を飲んでいたり…

新鮮で清潔かどうかを自分で判断しているのでしょうね。水を循環させる給水機や飲み場を複数用意するなど試行錯誤してみましょう。給水機は中にカビが生えたりしやすいのでこまめに掃除をしましょう。

 

・上下運動、隠れる場所

→さきほどもいったように重要な要素になります。キャットタワーならばどちらの役割もこなすことが可能です。三次元の動きは犬とは大きく異なる猫の特徴です。高さを利用することができれば部屋の広さはさほど問題ではありません。

 

・日の当たる場所がある

→猫は日光浴が大好きです。日中はよくひなたぼっこをしています。窓から外の景色を眺めることも好きなので、ぜひ猫がゆっくりできるスペースを確保してみてください。

 

・好みの寝床がある

→猫を観察しているとわかるのですが、「最近は「そこ」がマイブームなのね」という好みの場所を自分で探して寝ています。自分で寝床を開拓していくのも好きなようですが、猫の体がすっぽり収まるくらいの寝床を用意してやることも大事です。冬は暖かい素材、夏はひんやりした素材をそれぞれ準備するといいでしょう。多頭飼の場合は頭数分用意してください。

多頭飼の場合、猫用トイレは頭数+1個を置くようにしてください。

 

・爪とぎを置く

→猫はよく爪を研ぎます。(寝起き、嫌なことがあった時、落ち着きたい時…etc)

壁や家具で爪を研ぐのを防ぐためにも爪とぎは設置しましょう。ちなみに爪とぎ器の素材はたくさんあるため、猫にあった素材を探してみましょう。

 

◆普段から是非やっておいてほしいこと

 猫は環境の変化を嫌います。突然キャリーバッグに入れられ知らない場所に運ばれる、室内を自由に行き来していたのにケージの中に入れられるなど…。

 しかし動物病院に行くときにはキャリーバッグに入れる必要がありますし、災害時の避難所はケージの中で生活する必要があります。普段から目につく場所にバッグを置いておいたり、ケージでの生活に慣れさせておくことで、猫への負担を減らすことができます。どうしたら猫のストレスを軽減させられるか、普段から常に意識しておきましょう。

 

※猫を迎え入れた初日

 知らない場所で知らない人に囲まれることで猫は緊張しています。怖がって部屋の隅で固まったり隠れてしまうこともあるので、できるだけ構わず静かに過ごさせてやりましょう。環境に慣れるまではケージ内で過ごさせるのもよい方法です。

 猫によっては興奮して走り回ったり、遊びすぎてしまう子もいるようです。実際にうちに来た子は初日はずっとテンションが異常に高かったです。子猫は「明日疲れるから今日はこのぐらいでやめておこう」など自分で予測して行動をセーブすることはできません。ただ「あぁ元気な子だなぁ」と思って眺めていると、次の日に元気がなくぐったりしていたということにもなりかねません。猫を守るためにも様子を注意深く観察し、飼い主がブレーキとなってあげられるように意識しておきましょう。