猫の鳴き声からみるコミュニケーション
「猫の鳴き声からみる」と書きましたが猫は本来あまり鳴かない動物です。
群れではなく単独で生活して猫にとって鳴き声をあげることは獲物や外敵に自分の居場所を知らせてしまうことになってしまうため、音によるコミュニケーションは頻繁には行ってきませんでした。
鳴き声を発するのは、猫同士の争いや敵に対する威嚇、性的交渉、母猫と子猫のあいだでの関係に限られています。
猫の鳴き声の種類は研究者の間でも一致していませんが、一般的に聞くことがある基本的な鳴き声はおおよそ次の鳴き声になります。
①普段聞く「ニャー、ニャーオ」
②高く鋭い金切り声
③唸り声
④フーッという音
⑤シュッという音
この鳴き声、それぞれのもつ意味の解明についての研究は遅れていますが、鳴き声と同時に見られる猫の表情や姿勢などを一緒に見ていくことで、明らかになっていくことでしょう。
「猫はあまり鳴かない」と紹介しましたが、最近の飼い猫は
人に近づくとき、食事を要求するときに頻繁に鳴く子が多くなっています。
これは体は成熟しているが幼少期の性質を残す「ネオテニー(幼態成熟)」が関係しているといわれています。
幼少期の性質…つまり子猫の時の気分のままということで、ご飯をくれる飼い主を母猫のような存在とみて甘えているのでしょう。
ゴロゴロ…ゴロゴロ…
猫とスキンシップをしていると時折猫の喉のあたりからこの音が聞こえてくることがありますね。
小型の猫はのどを鳴らしますが、大型のトラやライオンは喉を鳴らすのは得意ではありません。どうやって音を出しているのか…いまだにその機能も鳴らす理由も完全には解明されていません。
飼い主とのスキンシップや親しい同居猫との接触などのリラックス状態で見られ、「喜び」のシグナルであると思われています。
※しかし一方で、疾患を抱えたり、激しい痛みを感じていると思われる猫が鳴らすこともありますので、普段と違う様子でないかはスキンシップの時に確認するようにしましょう。